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映画鳩の撃退法の総評!鳩って何?考察・ネタバレあり

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皆さん、暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか?

今回は、8月27日(金)ロードショーの映画「鳩の撃退法」について、ネタバレを交えた評価と感想をお話していきます!

最近は、テレビCMなどでもよく見かけますよね。

まるで害獣駆除のお話のようなタイトルですが、内容はミステリーもの。

いったいどんな話なのか、見ていきましょう!

 

映画鳩の撃退法の総評

まず、私が見た感想といたしましては、面白かったです! 

様々な伏線が張られ、回収され、それでもすべての謎は明らかにされず、とても考察のし甲斐のある映画だなと思いました!

映画鳩の撃退法のあらすじ

小説家の津田伸一【主人公・藤原竜也さん】は、東京にある勤め先のバーで、作成途中の新作小説の原稿を、以前から編集担当者である鳥飼なほみ【土屋太鳳さん】に見せます。

奇妙なことに、その新作小説の主人公は、津田自身であるようです。

小説の内容は、富山県のとある町で、津田は女優倶楽部というデリヘルサービスの運転手として働いていました。

ある日の未明、津田の行きつけのコーヒーショップで、幸地秀吉という男と知り合います。

本好きの幸地【風間俊介さん】は津田がその日持っていた「ピーターパンとウェンディ」の本について談笑します。

幸地は身の上話として、妻と4歳の娘と幸せな家庭を築き暮らしていること、娘は自分の実の子ではないこと、妻から妊娠の報告を受けたがその子供も確実に幸地秀吉の子ではないことなどを話します。

その後幸地秀吉とその一家は、神隠しにあったかのように忽然と姿を消します

それからしばらく経ったある日、津田と交流のあった地元の古本屋の店主・房州さん【ミッキー・カーチスさん】が亡くなります。

その際津田は、彼の遺品としてキャリーケースを受け取るのですが、中にはなぜか津田が持っていたはずの「ピーターパンとウェンディ」の本と、3,000万円の札束、そしてそれとは別に一万円札が3枚。

なぜ「ピーターパン」の本が房州さんのキャリーケースから出てきたのかはわからないものの、棚からぼた餅的に大金を手にした津田でしたが、散髪屋でそのお金を使ったことがきっかけで、そのお金は偽札だったことが判明。

さらにそれがきっかけで、富山の裏社会のボス・倉田健次郎【豊川悦司さん】から目を付けられることに。

いろいろな人の助けのおかげもあって、富山から東京まで逃げることに成功し、今こうしてバーで働いている…との内容。

詳しいあらすじなどは公式ホームページからご覧ください。

鳩の撃退法ホームページ:映画『鳩の撃退法』公式サイト | 大ヒット上映中! (shochiku.co.jp)

 

映画鳩の撃退法の面白いポイント

映画「鳩の撃退法」の面白いポイントは、「映像化されている内容が、真実かどうかわからない」というところにあります。

「小説家・津田自身の体験した事実を基に、その裏では何が起こっていたのかを、津田の想像力で補完したもの」が映像で流されています。

劇中で津田は、「今起こっている事実から考えて、何が自然か。そうすれば自ずと、隠された真実が見えてくる。」という言葉を何度か発します。

つまり、映画の映像で流れている内容は、津田自身の身に起こった事実を基にして作られた、津田自身の想像(=小説)であるということ。

それが実際に起こった出来事なのかどうかは、最後まで見てもはっきりとは明らかにされません。

それどころか、津田が小説を完成させたのちに起こる出来事は、津田が想像した内容と辻褄が合わない部分があり、実際に起こった出来事は津田の想像とは異なることを示唆しています。

津田の身に起こった事実以外の描写はすべて、「本当はこうだったんじゃないの?」と、鑑賞した皆さんそれぞれが想像することができるところが、本作の見どころではないかと思います!

 

映画鳩の撃退法の鳩って何?

ここから先は、ちょっとネタバレあり!要注意!

今作のタイトルにもなっている「鳩」というキーワード。

作中では中盤以降にちらほらとセリフとして出てきます。

この「鳩」、いったい何を表しているのでしょう?

答えはずばり、「偽札」です。

現行の一万円札の裏側には鳳凰が描かれていますが、「偽物の鳳凰→鳩」と裏社会のボス・倉田は呼んでいたんですね。

上記の通り、津田は物語の中盤、偽札をつかまされることになり、それがきっかけで倉田に目を付けられます。

この偽札、実は倉田がどこからか入手したもの。

何者かから倉田に渡される予定だったはずが、イレギュラーな事態が発生。

偽札(鳩)は、それを偽札と知らない様々な人達の手を介して、古書店店長である房州さんのもとへたどり着き、最終的に津田の手に渡った、ということになります。

秘密裏にしていた偽札(鳩)が消えてしまったわけですから、裏社会のボス・倉田としては何としても回収しなくてはなりません。

だから倉田はチンピラを使い津田を追うことになり、津田は事件に遭遇することになります。

 

(考察)なぜ偽の鳳凰→鳩なのか?

ここで、一つ疑問になることは、「どうして偽の鳳凰が、鳩になるの?」ということ。

鳳凰といえば、中国に伝わる伝説の生き物です。

それの偽物というならば、タカとかワシとか、もっと似合いそうな鳥はいくつか思いつきそうです。

これは私の考察ですが、鳳凰と鳩の共通点にあるのではないか、と考えます。

その共通点とは、「幸せ・平和の象徴である」ということ。

実は倉田は、裏社会のボスとして暗躍する一方で、自身が孤児であったことから、身寄りのない子供たちへの慈善活動も行っていました。

いったい何の目的で偽札を用意したのかは分からずじまいでしたが、倉田にとっての平和のために、偽札は利用されることになっていたのではないか…。

偽札を鳩と呼んだのは、倉田なりに幸せ・平和を願う気持ちにあったのではないでしょうか!

幸せの象徴としての鳳凰

「鳳凰が姿を現すのは、聖天子が現れる兆し」

鳳凰は、中国では古来より、幸せの象徴として考えられているというのです。

何度も皇帝が入れ替わってきた中国の歴史では、聖天子=優れた皇帝によって世を治められることは幸せなこと。

そんなときに現れるとされてきた鳳凰もまた、幸せの象徴として称えられてきたのだといいます。

 

平和の象徴としての鳩

皆さんも、鳩が平和の象徴だということはご存じかと思います。

その由来は、旧約聖書に記された「ノアの箱舟」から。

たくさんの動物とともに乗り込んだ船で大洪水から生き残ったノアは、船から鳩を飛ばしたことがきっかけで洪水が引き始めたことを知ります。

この時、鳩が加えてきたものがオリーブの枝。

これが由来となり、鳩とオリーブは平和の象徴として扱われるようになったそうです。

 

まとめ

今回は映画「鳩の撃退法」の総評と、鳩とは何なのかについて、ネタバレも含めて考察していきました!

現実と小説の内容が行ったり来たりすることで、とても一度見ただけでは理解しきれない内容となっています。

考察のし甲斐があると、いろんな解釈ができるので、人と話して意見交換するのも楽しくなりますよね!

映画を見て、「あれはどういうことだったんだろう?」「これはこういう意味なんじゃないかな」と考えることが好きな方には、ぜひ見ていただきたい作品です!