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【映画鳩の撃退法考察】鳩の撃退法のタイトルの意味は?

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8月27日(金)よりロードショーの「鳩の撃退法」。

CMなどでもかなり宣伝され、この夏の注目作品の一つですね!

私も映画の宣伝で関心を持ち始めたうちの一人です!

その時気になったのは、「鳩の撃退法って、どういう意味?」ということ。

鳩とは何なのか、撃退する理由は?

それを理解することが、この映画を楽しむためにもっとも必要なことではないかと思います!

今回は、「鳩の撃退法」のタイトルについて、ネタバレを交えて考察していきます!

ネタバレを含みますので、これから映画や小説をご覧になる方はご注意ください。

また、私は映画「鳩の撃退法」のみ鑑賞、原作小説「鳩の撃退法」は読んでおりませんので、ご了承ください。

 

映画鳩の撃退法のタイトルの意味は?

このタイトルの意味は、以下の二つであると考えられます。

  • 偽札を社会から抹消する方法
  • 不都合な人間を抹消、手なずける方法

早速ですが、先ほどもお話の通り、このタイトルを理解するには、「鳩とはいったい何なのか」を考える必要があります。

 

鳩とは何なのか?

まず、鳩が何を意味するかです。

もちろん、ここでいう鳩は動物の鳩ではありません。

「鳩」という言葉を使っていたのは、本通り裏のボス・倉田健次郎ですので、彼らにとって「鳩」とは何かを考える必要があります。

 

鳩=偽札

「鳩」の意味で作中で明言されることは、「偽札」であるということ。

今回の中心人物の一人である倉田健次郎は、何者からか偽の一万円札3枚を入手しようとします。

なぜ偽札を手に入れようとしたのかは映画内では語られませんが、幼いころからの友人で倉田のことを「ケンにい」と呼ぶほど親しい幸地秀吉とは、以前より偽札のことを「鳩」と言い、それについてたびたび会話していたようです。

倉田が反社会勢力のボスであることを考えれば、偽札を手に入れて悪いことに利用しようとしたのかもしれません。

しかし私は、倉田がこれを悪いことに利用しようとしていたようには思えません。

その理由として

  • 偽札はたった3枚だったこと
  • 倉田自身が、「お金は嫌い。お金に踊らされるもののことを軽蔑する」と発言したこと

たった3枚の偽札では、悪いことに利用するには少なすぎるように思います。

また、お金が原因で争うことを好まない倉田にとって、偽札の存在はむしろ邪魔ともなりえるかもしれません。

個人的な考察ですが、倉田が偽札3枚を入手したのは、偽札が横行することで起こりえる金銭トラブルを未然に防ぐためだったのではないでしょうか。

偽札3枚を自分で回収し、管理・処分するつもりだったのではないでしょうか。

反社会勢力のトップである倉田ですが、津田から手に入れた本物の3,000万円を、身寄りのない子供たちの保護団体に寄付した事実があります。

お金は平和や幸せのために使われてほしい。

だからこそ、倉田は偽札(=鳩)を撃退することを望んだのではないでしょうか!

倉田にとってお金は平和・幸せのために使われるべきものであるからこそ、「鳩」という言葉で偽札を表現したのかもしれませんね。

どうして偽札を「鳩」と言ったか、下記ページでも考察していますので、ぜひ見てみてください!

映画鳩の撃退法の評価!鳩って何?考察・ネタバレあり|雑談情報局けーしー (kc-info.net)

 

鳩=不都合な人間

作中で「鳩」とは偽札の意味で使われますが、そのほかにもう一つ、「不都合な人間」を表す言葉でもあったのではないかと思います。

鳩は、平和の象徴として考えられていますが、同時に害獣としても有名ですよね。

倉田にとって害をなす不都合な人間といえば、幸地奈々美、春山次郎の二名ではないかと思います。

 

幸地奈々美

幸地奈々美は、幸地秀吉の奥さんで、茜ちゃんの母親です。

この茜ちゃんの実の父親は、「悪党」であったといわれ、小説の中の世界で5年前には消息を絶った、倉田らの手によって殺された、とされています。

裏社会のボス・倉田が殺してしまう存在だったということは、「悪党」である茜ちゃんの父親は、倉田と敵対していたということになります。

当然、妻である奈々美も、制裁対象であったことと思われます。

しかし奈々美は、偶然なのか狙ってなのか、倉田の友人である秀吉に付け入ることで妻となり、生きながらえています。

秀吉が倉田に、彼女を殺さないように頼んだのだとすれば。

倉田はこの時点で身重だった奈々美を見逃したとしてもおかしくありません。

倉田は身寄りのない子供たちの保護団体を支援している、優しさを持ち合わせた人間です。

しかし今回、奈々美は、秀吉の子ではない子供を授かります。

このことが原因で、秀吉は倉田の頼み事である偽札の受取りを放棄し、偽札が市中に流出する(=「鳩」が囲いを出る)きっかけとなりました。

一度は見逃した存在でありながら、旧知の友である秀吉を裏切り、「鳩が囲いから出る」きっかけを作った。

倉田にとって、奈々美は改めて制裁を与えるのには十分な理由があり、不都合な人間であると考えられます。

 

春山次郎

春山次郎とは、郵便配達員であり、作中で幸地奈々美と不倫関係となった人物です。

主人公の津田は作中で、彼をデリヘル譲の加賀まりこの部屋から車で送ってあげますね。

彼の行先は、浮気相手の奈々美の元。

しかし彼は、その後すぐに倉田の手先に見つかり、ボコボコにされてしまいます。

倉田はこの時点で、奈々美が浮気相手との子を身籠ったことを知っていたと考えられます(幸地秀吉のバーでの会話より)。

倉田らが春山をあそこまでボコボコにした理由は明らかになっていませんが、あの時点で考えられる理由はこちら。

  • 奈々美への見せしめのため
  • 鳩が囲いを出た直接の理由となったため

本来は制裁するはずだった奈々美と関係を持ち、鳩が囲いを出る(=偽札が外部に流出する)理由の根源となった男です。

倉田らに消されてもおかしくはない存在だったと考えられ、こちらも不都合な人間です。

 

幸地秀吉も不都合な人間だった可能性

映画のラストシーンで、津田は、倉田の乗った車に同乗する幸地秀吉の姿を目撃します。

倉田からすれば、幸地秀吉は旧知の友です。

しかし倉田は、その幸地秀吉からの頼みのために、悪党の元妻であり制裁対象であったはずの幸地奈々美を見逃す羽目になっています。

奈々美に制裁を加えられなかったのは、幸地秀吉が原因だとも言えるわけです。

そこで倉田は、今回の件を利用し、奈々美に制裁を加えることを、秀吉に説得したのではないでしょうか。

倉田は旧知の友である秀吉を消すことはできません。

ただ、秀吉は奈々美の妊娠をきっかけに、「鳩が囲いから出た」きっかけを作るという失態を犯しています。

つまり、秀吉が奈々美を生かしたことにより「鳩が囲いを出た」罰を、倉田は秀吉に課した、と考えることができそうです。

倉田にとっては、秀吉を消すことまではせずとも、いわゆる「落とし前をつけさせた」格好になるのではないでしょうか。

 

まとめ

今回は、映画「鳩の撃退法」のタイトルの意味を考察してきました!

このように考えると、「鳩の撃退法」という映画(作中に出てくる小説)は、津田伸一が主人公でありながら、倉田健次郎に焦点を当てた作品であると考えられます。

映画の中でも異様な存在感を放つ倉田でした。

倉田の発言や表情に注目して、映画をご覧になってみると、タイトルの意味がよくわかるのではないかと思われます!